アイドル達の愛ものがたり

アイドルさん達の百合小説ものです。百合は儚く美しいものです。お気に召す方どうぞご覧ください。

避雷針②

 

今日から高校2年生になる。

両親が事故で亡くなってから数年が経つけど、

時折、寂しくて泣いてしまう。

だけど、・・もう泣かないって決めたんだ。

顔をたたいて気合を入れた。

 

 ピンポーン、家のインターホンが鳴る。

おそらく理佐だ。急いでドアを開ける。

「おはよう愛佳ー。始業式だから早くいこう」

「理佐おはよう!うん」

 

理佐は毎日迎えてきてくれるし、ずっと一緒に居る。

両親の訃報を聞いた時、そばに居てくれたのは理佐だし、安心する存在。

だけど、理佐はあまり思ったことを口に出さないから

何を考えているか分からなかったりする。

でも、それは私も同じかもしれない。そんな私たち。

 

「愛佳、何ぼーっとしてんの。クラス表、もう出てるよ」

掲示板の所から理佐が私を呼ぶ。

 

「あ!3組。理佐と今年も同じだ!」

「わたしも一緒だぞ!」後ろから声した、オダナナだ。

織田奈那とは1年生の時から同じクラスで、部活メンバーだ。

 

3組の教室に入ると、もうほとんどが来ているようで、

ざわざわしていた。沢山のおはようが私たちにふりそそぐ。

女子野球部の私たちにはファンが多く、オダナナはともかく、

私と理佐にはファンクラブなるものがあるらしい。

 

席は名前順で、サ行の私は真ん中の列の一番後ろ。

まだ先生が来ないので、理佐の席に遊びに出掛けた。

 

 

そこで大事な人と出会うことになるとも知らず。

 

 

 

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